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2018.2.5

旭化成の産学連携プロジェクト第2弾!

学生の感性を刺激する見学会に迫る@繊維先端技術センター(守山)

「ベンベルグ®大学」を経て
厳正なる審査を通過した8グループが選出される!

<ベンベルグ>って何?から始まったこのプロジェクト。6月13日に大阪会場、6月20日に東京会場でそれぞれ開催された「ベンベルグ®大学」を経て、7月20日の審査会に向けて、ファッション系の専門学校や大学など13校からテーマに沿ったポートフォリオが続々と集まった。

審査会当日、49グループによる49冊のポートフォリオは審査員が囲む机に並べられた。今年度の「FORM PRESENTATION」のファッションテーマは「未来の快適美を創造する」というもので、グループごとの表現の多様性から、それぞれのチームの試行錯誤の軌跡と斬新なアイデアが垣間見えた。

7月20日の審査会では、4つの評価軸をもって採点が行われた。1つ目は「テーマとデザインの整合性」、2つ目は「デザインと素材の適合性」、3つ目は「アイデア表現の独創性」、そして4つ目が「作品の完成度」。審査員全員が49冊すべてのポートフォリオをくまなく見て、点数が付けられていった。

6倍もの倍率の中、通過したのが下記の8グループだ。

① ink/インク(名古屋モード学園)

② IAN/イアン(東京モード学園)

③ capsize/カプサイズ(覆す)(香蘭ファッションデザイン専門学校)

④ PIA/ピーアイエー(文化服装学院)

⑤ Dancing on New Planet/新しい惑星でのダンス(文化ファッション大学院大学)

⑥ Chill/チル(エスモードジャポン 東京校)

⑦ TAKAGI SPORTS/タカギスポーツ(エスモードジャポン 東京校)

⑧ Humming/ハミング(ドレスメーカー学院)

審査員を務めた旭化成のマーケティング室のあるメンバーは、「テーマにしっかりと向き合ったグループ、ベンベルグの素材の特長を理解した上でデザインに落とし込めているグループを高く評価させていただきました。また「快適」というテーマに対して、各グループそれぞれの解釈に学生の皆さんの個性があって面白かったです。」と審査を振り返った。

通常のコンペとこの「FORM PRESENTATION」の大きな違いは、専門家の講義(ベンベルグ®大学)の受講が必須であるということ。その分、素材に対して踏み込んだアプローチがあり、素材からのデザイン発想が生まれてくるのが面白い点だ。

繊維の未来を支える研究所へ

8月3日、晴れて審査を通過した8つのグループはグループミーティングと研究所の見学のために滋賀県守山市の旭化成の繊維先端技術センターを訪れた。日本各地に拠点を持つ旭化成だが、守山の繊維先端技術センター内には、「商品科学研究所」、「ライニング研究所」、「ロイカ工場 技術開発室」、「不織布技術開発部」などを構える。

先日の「ベンベルグ®大学」でも講義を担当した商品科学研究所の池永所長による施設の案内、素材の持つ機能性の詳細、最終製品の紹介の後、一同は施設内の各研究所を見学して回る。引き続き、池永所長が施設の案内役を務めた。

「商品科学研究所」では、糸の加工から、織り、編み、染色、縫製までの多種機械が設備されており、日々それらの素材を実験しては評価、解析できるようになっている。新素材はここで厳しい物性テストをクリアして、やっと世にでるという流れだ。

「不織布技術開発部」は、工業用フィルターからフェイスマスクやオムツなどの日用品まで、あらゆる不織布商品向けの素材開発と研究を行う場所。その他にも、衣服着用時の衣服内の温湿度を測定する人工気候室や、「サーマルマネキン」、「サーモラボ」など、素材の機能を数値化して、評価するさまざまな設備が完備されている。

ひときわ見学中の学生たちが反応していたのは、衣服摩擦での皮膚のダメージを測定する、肌健康評価機。旭化成の素材の開発力の高さはもちろん、最終商品とそれを着用する人に対する安心と安全を数値で裏付けし、それを価値として提案するために徹底された研究所となっている。

素材のプロとのミーティングに突入

研究所見学を終えた8グループの学生たちは、提出したデザイン画に対して、今後の制作に向けてのデザインと制作進行のミーティング、そして素材選定のミーティングに順々に入っていく。

デザインと制作進行のミーティングは、コーディネーターの兼巻氏が担当して、最終的な作品に落とし込むに当たって、デザインの再現方法、進行スケジュール、ディテールや加工方法などそれぞれのグループと細かく確認をしていった。的確な指摘で学生たちの課題が次々と可視化されていった様子だ。

また、素材選定のミーティングは、旭化成マーケティング室の山崎コーディネーター、前田コーディネーターが担当した。それぞれのグループのポートフォリオを確認しながら、生地1つ1つの特性を説明していき、デザインごとに適した生地を一緒に選んでいった。学生たちはこのミーティングを通して、作品に使う生地を選定して用尺を計算して、発注までおこなった。

グループミーティングを終えた旭化成マーケティング室の山崎コーディネーターと前田コーディネーターに1日を振り返ってもらった。

「想像していた以上に、各グループが描いてきたデザインをどうしたらイメージ通り服として表現できるのかを深く考えてきてくれたのがわかりました。一方で、初めて扱う素材に対してのドレープ感やハリ感をどうしたら出せるか、グループミーティングを通してアドバイスさせていただきました。」と山崎コーディネーター。

「今日は学生の皆さんから直接、デザインのこだわりをたっぷり聞くことができたので、私たちが作るキュプラに対して愛着を持ってディテールを考えてきてくれたのが伝わって感動しました。学生の皆さんには、既成概念にあまりとらわれ過ぎず、若い感性で自由にものづくりを楽しんで欲しいと思いました。」と前田コーディネーター。

制作に向けて~学生たちの意気込みに迫る

グループミーティングを終えて、デザインの方向性の確認、そして生地選びと発注を終えた各グループの学生たちに、11月28日の発表に向けての意気込みを聞いた。

■名古屋モード学園 【ink/インク】

Q : どんなアイテムを作る予定ですか?

A : 「フェミニズム」というテーマのもと、女性らしさを持ちつつ大胆で、スリットを入れて開放的なデザインになります。生地は肌触りが良く、トレンド性を意識して選びました。パターン作成と縫製にも時間をかけて、シンプルな分クオリティの高い洋服作りを目指したいです。

■東京モード学園 【IAN/イアン】

Q : デザインのこだわりをお聞かせください。

A : 全てにプリーツ加工して、ワンピースやパンツ、ジャケットを作ります。さらにプリーツに合わせた柄をプリントしたり、スモッキングの技法も用いて、テーマの「波」を表現する立体感を作っていこうと思っています。

■香蘭ファッションデザイン専門学校 【capsize/カプサイズ(覆す)】

Q : 研究所の見学を通して、どんなことを感じましたか?

A : 高級裏地「キュプラ」の高い品質を支える実験の繰り返しや、企業の努力を学ぶことができました。そんな素材を使わせてもらえることに、改めてありがたいと思いました。今回選んでいただいたので、自分たちの力をこの素晴らしい素材に出し切って良い服を作りたいと思うので、応援をよろしくお願いします!

■文化服装学院 【PIA/ピーアイエー】

Q : 制作に向けての意気込みをお聞かせください。

A : 学生としてコンペティションに参加させていただいていますが、プロの生地の素材の研究や実験を繰り返すプロの仕事を感じることができました。本日、生地とデザインの相談をさせていただいて、どうやって作品を作っていくかを深く掘り下げることができて具体化できました。縫製でもプリントでも、より良いものが作れるように挑戦していきたいと思います。

■文化ファッション大学院大学 【11/11】

Q : 本日の見学と、制作に入る意気込みをお聞かせください。

A : 未来のダンスをイメージして、未来のダンサーが着る衣装をデザインしました。スポーツウェアに適した、軽くて吸水性のある素材を選びました。ヒートガンやスモッキングで素材表現をする予定です。ポートフォリオのデザインを再現できるよう頑張りたいと思います!

■エスモードジャポン東京校 【Chill/チル】

Q : 本日の見学と、制作に入る意気込みをお聞かせください。

A : ワッシャー加工を施す予定だったので、実現性や耐久性についてのテクニカルなアドバイスをいただきました。ドレープや落ち感を表現したかったので、薄くて動きの出る生地を選びました。また研究所の見学では、成分や着脱など実用的な研究をされているのを学び、もっと着る人のことをもっと考えてデザインしていけたらと思いました。今回は「リラックス」がテーマなので、見ても触れても、着心地の良いリラックス感が出せたらと思っています。

■エスモードジャポン東京校 【TAKAGI SPORTS/タカギスポーツ】

Q : 今回の制作のテーマとデザインの方針を教えてください。

A : ベンベルグという高機能の高い生地を生かして、「都会のアウトドア」というテーマのもと、機能性を全面に押し出したスポーツウェアをデザインしました。ジャージー素材を発注させていただきました。

■ドレスメーカー学院 【Hamming/ハミング】

Q : 今回のテーマと制作のこだわりをお聞かせください。

A : ミリタリーとワークをベースにしつつも女性らしさも表現して、ピンタックとプリーツと刺し子の技法をデザインに落とし込んで、未来の快適な洋服を作りたいと思っています。

研究所の見学、ミーティングを無事に終えて、素材も決まった。
11月のJFWジャパン・クリエーションでの展示に向けて、ついに作品制作が始まる。

2017年8月4日